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それは一方的な戦いだった
ショートブレードと言う単純な武器のせいか
爺の鉄棍をくらうたびにその刃が欠けてゆき
2・3発、打撃を受けただけで剣とは呼べぬほど破損していた
俺様はショートブレードを鞘になおし
気絶している兵士から武器を奪い。なお反撃を繰り返した
『山賊のような、いでたち。しかし、その動きは俊敏で鋭さがあるな小僧。ほめてやる。お前にはなかなか見所がありそうだ…』
『お母ちゃーん』
それは小さな子供だった
空から不意に来襲した翼を持つ魔物に攻撃を受けていた
『頼む。民間人を救出しろ』
爺が部下の兵士に命じるが
『敵いません。相手は上級のモンスターですよ』
爺の部下たちは一目散に逃げ出した
『ええい。腰抜け共めッ‼民間人の矛となり盾となるのがワシら兵士の役割だろうがッ‼』
気がつくと不思議なことに俺様はその魔物に気絶した兵士から剥ぎ取った鉄槍で右の羽を貫いた
『小僧…』
『民間人の矛となり盾となるのが戦えるモノの掟なんだろう爺ッ‼。俺様はいずれ支配するであろう民たちによきイメージを抱いてもらう義務がある』
『充分だ、小僧』
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