恋の道

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「…でも」 「俺達が貰うわけにはいかないでしょ…島原に消えちゃうよ。」 冗談まじりで近藤さんがさんなことを言った 明里さん意外に頑固だからなぁ… 沈黙がつづいてしばらくしたら明里さんは「はぁ」とため息をついた 「…わかりました。ありがとうもらっときます」 「よかった!安心した!」 「…山南さんも明里さんがもらったほうが喜ぶよ」 それでも彼女はまだ納得いかないような顔をしていた 「…死んでからも山南はんはうちにこんなにもようしてくれはるんに…うちはなんにもしてあげれへんのが切ないどす」 …明里さんは優しい人だな 山南さんが聞いたら号泣だよ 「気にすることないよ。明里殿!山南さんはそれほどまでに君を愛していたんだから。愛に見返りはなし」 ハハハなんていいながらクサイことをいった近藤さんを横目でみた 明里さんはクスクス笑いながらおおきにって言った そしてその風呂敷に大事に束ねた恋文を包んだ 「…うちには思い出がいっぱいありますさかいに…欲張らんとこんぐらいにしときます」 ニッコリ笑った明里さんは近藤さんもビックリするくらい綺麗だった
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