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「光。ご飯」
「了解」
前者は母です。
父が女をつくって夜逃げして以来グレてしまいました。昔は皆が理想としている夫婦だったのにな…。
それよりも、僕は料理が好きです。母がグレてなかった時期は、よく教えてもらってましたから。
今、つくっているのは、オムライスです。母が好きな食べ物です………母が昔のように優しい母に戻るようにと………すみません。話しが逸れましたね。
「はい」
「……………」
僕の家は貧乏です。
市役所から保護がおりているのでなんとか生活はできてきます。それに母はグレてますけどパチンコなどは元々しない方なので助かります。
「ごちそうさま」
「はい」
でも、煙草は吸います。グレてから一日に一箱半ぐらいは吸ってます。肺ガンなどに気をつけてほしいです。
「ねぇ。光」
「どうしたの?」
珍しいです。母から声を掛けるなんて…
「働いてきな。」
「はい」
生活費の足しになるなら働きます。
「ただ働くだけじゃ面白みがないからメイド喫茶で働いておいで」
「はい………え?」
今なんと?面白みがないからメイド喫茶で働けと?
…冗談じゃない!僕は男だ!決して女性ではない!これは流石に断らなければ!
「…流石に母さんの頼みでも無理だよ…」
「明日の午前10時。迎えがくるから。」
僕の拒否権はないんですね…。明日…僕はどうなるんだろうか…。
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