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プロローグ
壁中に画面が在る真っ暗な部屋。
画面に映る数人の人間達を見ながら、一人の男がワインを片手に椅子に座っている。
――コンコン――
「入りなさい」
「失礼します」
扉を叩く音が聞こえ、男が招き入れると若いまだ成人もしていない男が部屋に入る。
「お呼びですか、ラファエル様」
「そろそろ彼に依頼しようかと思いましてね。
貴方のボスに直接交渉して貰います。
連絡頼みましたよ」
若い男が用件を聞くと、ラファエルと呼ばれた男が画面の一つを指差す。
「分かりました。
早速行って参ります」
若い男は小さく頭を下げると、部屋を出ていく。
「こちらに来て二十年。
ようやく計画の本題に入れますね。
貴方も楽しみでしょう。
ミカエル」
ラファエルは誰も居ない部屋の片隅に話し掛ける。
「あぁ、吉報を待っているぞ。
ラファエル」
ラファエルが話し掛けた場所から、別の声が聞こえて来る。
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