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「そぉーいゃあトモキは窓から出ようとは考えなかったのか?一階からなら普通に出られるぞ」
「Σその手があったか!!」
(出入口ばかり思ってたよ…)
「ははっ!生真面目なヤツ」
(つーか天然?)
ヒナタが笑うと
トモキはプーっと頬を膨らます
それをツンツンつつくヒナタ
「そんな剥れんなって!ドアから出たいんだろ?」
「ほらよっと!」と閉じられた扉を軽く蹴り破る
―――ドゴォーーンッ!!
『Σうわぁあああっ!!!!!』
誰かの悲鳴が聞こえた
どうやら扉の向こうに人がいたらしい
「ヒナタやり過ぎ…」
「誰かいるなんて思わねぇじゃねーか!ココは立ち入り禁止だぞ!いるヤツが悪い!!」
確かに旧校舎は立ち入り禁止になっている
かと言って立ち入り禁止の場所から出ようとしている自分達も悪いのでわ……
「も~ヒナタは乱暴だな~ιι」
(どんな理屈だよ…)
「大丈夫ですか?」とトモキが扉の向こうを見ても誰もいなかった
「アレ?」
「逃げたな!」
(多分トモキを虐めてた奴等だな!)
そう、
悲鳴を上げたのはトモキが出てくるのを待っていたイジメっ子達だったのです
しかし、扉が蹴り開かれ
とんでもない者が出てきたのだと思い奇声を上げ逃げて行ったのでした
完全にトモキはオバケに食べられたと思ってます
「誰だったんだろうね?お気の毒に……」
「オマエ本当に分からないのかよ!?」
「ふぇ?」
「いや…イイ……ιι」
(説明めんどぃ)
説明が面倒くさいヒナタは誤魔化して話をそらした
トモキの泣き顔が見たくてイジメっ子達は噂の旧校舎に彼を入れたのだ
トモキが扉から泣いて出てくるのを待っていたのだろが
余りにも時間が立ちすぎ心配になったイジメっ子達はトモキを探しに行こうと扉に近付いたら蹴り開かれたと言うわけだ
トモキは自分は嫌われると思っているので
まさかイジメっ子達がこんな時間まで待っているとは考えも付かなかったのでした
「何で虐められてるか考えた事あるか?」
「えっ?…嫌われてるからでしょ?」
(他に何が??)
「はっ!何も分かっちゃいねぇ~なトモキ君よぉー!」
(鈍っ!この子鈍スギ!)
「何が??」
「定番だろ~好きな子を虐めてしまう男心を、小学生なら尚更だな!」
(分かるなぁ~、トモキの泣き顔はヤバイから…)
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