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一人ガタイのいい和服を着た青年が歩いていた。
長躯の青年だ。
年齢は18、9くらいに見える。
しかし、自然に纏っている雰囲気はそれには見えないほど落ち着き、静水を打つかの様に乱れがない。
彼はスーパーのレジ袋を手にしている。
中には牛乳、豆腐、卵、ジャガイモが数個入っていて、卵があるためか揺れないように気遣っている。
歩みは青梅駅に向かっており、暗く足元が良く見えない中でも悠々と歩いている。
街灯は十五Mから二十M間隔で立っているからちょっと見えにくい。
だが、駅に近付くに連れて段々とその間隔は狭まっている。
やがて、駅前付近に出る。
昭和の街青梅。
市の掲げているテーマだ。
そのせいか、やたらレトロな感じもするが、近代化の波は抗いきれず所々にコンビニや自動販売機があるのがちぐはぐに感じる。
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