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青梅駅―――
やっと着いたのう、と呟いて電光掲示板でなく直接ライトで青梅駅という看板を照らしている看板を見やる。
すれば一人少女が目に入る。
珍しい。
いや、ここは風雅に言っておくべきか…?
いと珍しや。
………呑気だのぅ…
「大丈夫かの?」
話し掛けるが、返ってくるのは無言。
「おーい、だいじょうぶかー?」
少し大きめに再度問う。
「…ぃ、ぶ…なぃ」
やっと小さい声だが返事がきた。
あまりに小さい声だったためよく聞こうと屈んで耳を近付ければ、
「大丈夫じゃない!!!」
叫ばれた。
「ぅおっ!」
耳鳴りが止まない。
頭を軽く押さえながら、
「なんじゃ、声くらい出せるなら最初から出しとけ」
「うるさい!!行く所のない身に大丈夫か?大丈夫か?ってウザイのよ!私がただのホームレスだと知れば直ぐにどっか行っちゃう癖に!!……何よその目!哀れんでるの!?」
叫ばれ、無言で少し突っ立っていれば、
「……もう…どっかいってよ………惨めじゃない…」
泣いてしまった。
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