ふたりぼっち

プロローグ

そんなことを考えているうちに講義の始まる時間になる。

「おい、藍っ!!早く教室いくぞっ」
「わかってるよバカ!!」

バタバタと大学生とは思えない言い合いをしながら教室に向かって走る。
時間ギリギリで教室に入って席についた。

「お疲れ」

後ろの席から笑いながら声をかけられた。

「結衣っ」

後ろを見ると、大学に入りたての時に仲良くなった川崎 結衣が笑っていた。

「今日も遅刻ギリギリで教室入ってきたね」

今日遅れたら代返は止めておこうと思ってたんだよ？と続けて言われた。

「川崎、今までこいつが遅れたときいつも代返してたのか？」
「まあね」

蒼は結衣からその話を聞くと、私に呆れた目を向ける。