会えない時も手紙をくれる

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何年前の春、高校卒業と同時に好きだった人から告白されたのだ。 それはきっと始まりの合図だったのかもしれない。つまらない一生に飽きていた。だからこそ何かのアクションを起こさなければ保てずにいたたが、 「(あいつがいるかぎり自由になれない)」 数年後、栖原明久(スハラアキヒサ)はあの日告白された人と結婚をした。 あの時はお人好しで、優しかったが、今となってはイメージが崩れつつあるのだ。 妻の名は栖原のあと言う。元の名前は未だに不明のままだ。 「こらっ。早く食べなさいよ、二人でお出掛けなんだしね」 ウインクをしながらピースもしていやがる。余裕かましてるな?俺は金が無いと言うのに。 そんな姿を見て嫌とも思わないし、楽しそうにしていればそれでいいかと。 笑顔さえ消えなければ、生きていける気がする。 「ちょっと明久!口のはしっこにご飯粒がくっついてるわよ。聞いてるの?」 ボーとしている間に口のはしっこに違和感が、嫌な予感はしたが見てみると…。
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