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バシャーン!という音とともに、水しぶきを上げて丸太の船が一気に下っていきました。
身を屈めると、あまり濡れないで済みますね。
「美月さん、結構楽しい…」
僕は隣を見て息を呑みました。
「…随分濡れましたね…」
汗のように水が美月さんのお顔の上を流れていきます。
「避けるのは負けよ!」
「何と戦ってるんですか…」
「水」
それはまた、勝てそうにないものとのバトルです…。
「…濡れが足りない…また乗るよ!」
「…美月さん、もしかして勝負にかこつけて濡れる乗り物大好きなんですか…?」
「…そんなことないよ。ただ気づくと吸い寄せられてるだけ」
それを大好きと人は呼びそうです…。
「心行くまで濡れたらあとでぎゅーっとしたげる」
「美月さん!」
「ん?」
「今すぐ走って並びましょう!そして今すぐぎゅーしましょう!」
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