姉妹

あれをどんな感情へと変えることが出来るのかは私には分からなかった。

ただ、いとおしい……

――

「お姉さま？」

私はほのかに首をかしげてそっとお姉さまを呼んだ。

私には血のつながりの無いお姉さまがいた。
ただの彼女の気紛れかどうかは解らない。

彼女はただ私に『お姉さま』と呼ぶように頼んだのだ。

―――

ねえ、お姉さまは知っているのでしょうか？
私はこんなにも貴女が……お姉さまが好きなのですよ。

だのに貴女はいつも曖昧であり静かだった。

私のことが好きですか……？

私の、ことが、好き…、ですか？

静かに笑い髪をなびかせる貴女に私は欲情しているのですよ。

雨、 と名前を呼ばれる度に、とくんと胸が高鳴るのですよ。

―――

貴女は残酷です。お姉さま。

貴女は男子生徒と手を繋いでいました。

いつもその清らかで白くすべすべとした手を繋いでいたのは私だったというのに……

ねえ、お姉さま。
貴女にキスをされたいと思っていたのですよ。
私は滑稽にも意思の疎通がなされていると思っていたのですよ。

貴女も私のことを愛してくれるのだと思い込んでいたのですよ。

―――

お姉さまは残酷です。

でも、

それ以上に私は愚かでした。

Ｅnｄ……