9人が本棚に入れています
本棚に追加
「男でも女でも名前は決めてあったのだ。“李(レイ)”。流羅・李(ルーラ・レイ)だ。」
誇らしく徳は輝希に自分の考えた名前を教える。
「李…。賢くて、元気な子に育てばいいですね。」
李という名前に輝希は微笑み、すぐに承諾する。
「…おめでとう。徳、輝希。」
祝辞の言葉を述べたのは徳と輝希の友人、麗・瞬牙(レイ・シュンガー)と紅雲(クウ)であった。
その隣で一生懸命に揺りかごを覗いているのが、麗家の息子、龍牙(ロンガー)である。
2歳になる龍牙は無邪気にも揺りかごで伸びをしている李を見てキャッキャッと笑った。
この時点で、運命の砂時計は落ち始めたのである。
最初のコメントを投稿しよう!