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昔から麗家と流羅家は兄弟のように仲の良い家族だった。
麗家は武術、流羅家は魔術というように、戦闘時の相性もよかったため、今のようによく近くの森に探検などをしに行くのである。
やっとのことで家についた2人はまたね、と別れて自分の家に入っていった。
翌朝。
麗家の父親に訪ねられ、徳は玄関に向かう。
少し話していると思えば両家の家族が呼び出された。
徳は瞬牙に渡された手紙を読み上げた。
『稚児ヨリ英雄ニナル旅ニ出ヨ。サモナクバ世界ハ闇にツツマレン。』
その摩訶不思議な内容に両家は首を傾げた。
稚児と言える稚児といえば、両家には李と龍牙しかいない。
2人は皆の視線を浴びてはキョトンと見返す。
「俺と李が、“エイユウ”になればいいの?」
まだ7つと5つの2人は“英雄”という言葉こそ知らず、簡単になれるかのように大人達に問いかける。
「でも、この子達にはまだ危ないのではないかしら?」
顎に手をあて、輝希は徳に心配そうに視線を向ける。
「うむ…龍牙には武術、李には魔術を数年間、ミッチリ教えることにしよう。」
これより、2人の旅のために数年間の特訓が始まった。
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