第1章 start of fight

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    時折脱走するなど特訓を投げ出すような行動を起こしたものの、2人とも無事に術を覚えることが出来た。     使いの馬車に乗せられて、16歳と14歳になる2人の旅は始まる。         2人を乗せた馬車は10キロほど行った町、“ミストタウン”に止まった。     「こっからは俺達で歩くから大丈夫だぜ。」     龍牙にそう言われ、使いの馬車は彼らの村に帰っていった。     「よし、じゃあ…まず宿を探さなくちゃ。」     李は、少しワクワクしながら龍牙に笑いかける。     「……なんでそんなにニヤけてるわけ?ブサイクな顔がさらにブサイクに……」     「何か言ったぁ!?」     李は龍牙の言葉を無理矢理遮り、問いかける。     妙に冷たい視線が龍牙を射抜く。     サァーッ…と生温い風が、近くの池の水面を少し波立たせた。     「悪かったわね。どうせ可愛くないですよォーだ!」     李はほっぺを大きく膨らませた。     龍牙は「もう馴れた」とでも言いたげに李を見る。     やはり少しは怒っているようにも見えるが、でもどこか心の中で、鼻歌でも歌っていそうなくらい機嫌がいいように見てとれる。    
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