第1章 start of fight

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    その夢が今、現在叶っているのだ。     ここ、“ミストタウン”はあの朱色の輝きの山の向こう側の町だ。     李が願いに願った夢の村…。         「…よかったな。宿がみつかって。」     龍牙は布団に突っ伏しながら言う。     「………うん。」     少し間が開き、小さな小さな聞こえないくらいの小さな声で李は返事をした。     2人とも今は死んだように動かない。     「7時間も歩くなんて…有り得ない…」     なにしろ2人は迷子になり村をさまよい続け、ようやく宿を見つけ出したところだった。     李はブスッとして言葉を発する。     「だいたい、なんでこの村は鶏を野放しにしてるのよ!追い掛けられた時、本当に鶏に喰われるかと思ったわ。」     …そんなことはまず有り得ない。     「鶏が人間喰うかよ…。」     呆れながらそういう龍牙も実は逃げる時、李と同じことを思いながら走っていたのだった。     鶏に追いかけ回され、7時間も歩いた疲れからか、2人は深い眠りに落ちた。    
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