第1章 start of fight

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        朝露が光る穏やかな朝、まず目を覚ましたのは李だった。     ショボショボとした目を擦り、口を抑えて小さく欠伸をする。     いつもなら「おかーさーん、お腹空いたー」と起きて居間に向かうところだが、今は旅の途中。     母親の輝希もいなければ父親の徳もいない。     隣の布団には、無邪気な寝顔の龍牙が寝ているのだった。     まだあまり太陽は出ておらず少し肌寒かった。     「そろそろ龍牙を起こさないと…」     李は隣で眠っている龍牙を揺さぶり、眠そうに布団に埋もれる彼の耳元で「起きろー!」と叫んでやる。     「うわぁ!?」     龍牙はこの世の終わりとでもいうような叫び声を上げ、布団から飛び上がる。     「あ…あれ、李?親父は?」     「なーに寝ぼけてんのよ!今は旅の途中でしょ。」     「あ…そっか」と寝ぼけ眼に納得した龍牙に「もう…」と呆れたように李は両手を腰に当てる。     寝癖のついた2人の頭を見て、お互い自分の頭を笑い合った。     朝食を済ませた後、2人は荷物をまとめ、宿屋を後にした。    
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