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「えー!ここに入るの!?」
「入らないとゴーストタウンに行けねぇよ。」
やっぱり口論が始まってしまう。
結論的に入らなければならないのだが、やはり李は嫌がっている。
なぜ李がここまで嫌がっているのかというと、彼女には見えているのだ。
密林の中で息を潜めている魔物達の姿が。
それを悟ったのか、龍牙は李に大丈夫だからと慰める。
溜め息をつきながら一歩一歩、密林の中へと足を進めていく。
もうどのくらい進んだのだろうか。
暖かな日差しに見守られ出発したが、今はもうすでに太陽が真上にある。
しかし、小さいながらも密林とだけあってなかなか日光は射し込まず、やや肌寒い。
その上、時折不気味な風がゴーストタウンの気配を乗せて流れてくる。
李は身震いし、前をひたすら進む龍牙の背を見つめた。
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