第1章 start of fight

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      ◇  ◇  ◇     いつも自分をかばってくれる優しい背中。     けれど、それも永遠に続くわけではない。     いつかきっと、私から離れていくだろう。     私は口を開きかけたが、先に涙が頬をつたってしまい、開くにも開けなくなり、逆に龍牙に気づかれないように声を必死に殺して頬を濡らした。     …きっと、最後には私は独りなんだ。     そう思うと鼻の奥が詰まり、涙が溢れ、止まることを知らない。     前を歩く龍牙の背中が、涙で滲み揺れている。     私はどうしてすぐに泣いてしまうのだろう。     私はどうして邪魔なのだろう。     私はどうして瞳を受け継いでしまったのだろう…。     龍牙が迷うことなく進む中、私は不意に立ち止まった。     私を取り残して、龍牙は気付かず森の闇へと進み、消えていく。     私は地にへたり込んだ。     どうして私がこの旅に出ることになったのだろう。     英雄になるため?     この私が?     そんなの無理よ。     龍牙は充分に強いわ。     私が居なくたっていいじゃない。     逆に、私なんて荷物だわ。    
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