第1章 start of fight

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    …そうよ。     私が居なければ家族みんなが差別されることも、龍牙に迷惑かけることもないのよ。     もういっそのこと、ここで消えてしまいたい。       ◇  ◇  ◇     『その願い聞き届けたり。我の身体になり、その魂、消してしんぜよう…。』     「……っ!?」     彼女は気が付かなかった。     悲しみと苦しみにより気が逸れてたから。     「私の願い、叶えてくれるの?…それなら、なんでもするわ。」     『我は霊狐なり。そなたには1度、会ったことがある。その時は怯えて我をなかなか見なかったがな。その瞳…その身と共に我に捧げよ。魂は後でじっくりと喰ろうてやる。』     霊狐はニタリと笑った。     「えぇ、いいわ。消えることができるのならそれで。」     李は無表情で言う。     『契約完了だ。』     霊狐はそう言うなり、青白い炎をまといながら李の胸へと入っていった。     李は気が遠くなるのを感じながら、遠くで龍牙が自分の姿を探しているのを見た。     「…たくっ!李のやつどこ行ったんだ。」     龍牙は少しイライラしながら呟く。    
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