第1章 start of fight

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    魚の腹のように白い肌、虚ろな目、色のない唇。     まるで死人のようだ。     「いったい何が…」     龍牙が小さく呟くと、それの返答がゆっくりと空から降ってきた。     『おや?お前は我が手に落ちた愚かな者の連れ人か。』     「何!?」     少年は辺りを見渡した。     だが、周りは木ばかりで李以外に特に変わったものはない。     こういう時こそ、いつも彼は“瞳”があれば…と毎回思う。     きっと今、龍牙が相手をしているのは“瞳”を持っていないと見えない相手なのだと考えた時だ。     「いてっ!」     龍牙の目の下に赤い直線が引かれた。     「ひ、卑怯だぜ。見えねぇと勝負にならねぇよ。出てきやがれ!それとも、怖くて無理なのかよ?」     少年は軽い笑みを浮かべた。     『よかろう。』     魔物は一言そう告げるとフッ、と姿を現した。     龍牙は魔物の姿を見た今、李がどのような状態なのかを理解した。     彼女は操られているのだ。     霊狐に魂を握られて。     「てめぇ…李をどうするつもりだ。」     ギッと霊狐を睨み付ける。    image=229417750.jpg
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