第1章 start of fight

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    『もう我のものだ。お前にはどうでもよいだろう。』     霊狐が嘲笑う。     「なぜ、李に憑いた。」     龍牙は拳を強く握り締めた。     『なぜ…だと?そんなことは簡単だ。彼女が望んだ。だから叶えた。それだけのことだ。』     霊狐は操り人形と化した李の周りをくるくると回った。     「…望んだだと?へっ。笑わせるぜ。なんで李がそんなこと望むんだよ。」     龍牙は軽く鼻を鳴らした。     李がそんなことを望んで誰のためになるというのか。     龍牙は霊狐の方へと剣を構えるも、霊狐は李を盾にして龍牙の攻撃を受けまいとする。     さすがの龍牙も李を盾にされてしまっては身動きも出来なかった。     その時、龍牙はミストタウンで聞いた1つの話を思い出した。     ……――その化け物は自分のお城を持っていてな。そこで勇気ある挑戦者を待ちわびているという。しかし、そこへ行った者は2度と自分の故郷へは帰ることが出来なかったそうじゃ。     (もしかしたら…。)     龍牙は霊狐に話を持ちかけることにした。    
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