9人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁ、お前自分の城を持ってるんだろ?だったらそこで相手になってやるよ。どうもこの密林じゃ他の魔物に邪魔されそうだからな。」
『よかろう。勇気あるお前の挑戦を待つことにする。それまでこの娘、我が預かっておく。』
霊狐はそう言うなり李を気絶させ、つれて行ってしまった。
龍牙はその光景を黙って見ていたが、それを振り切り“ゴーストタウン”に向けて走り出した。
李を連れて行かれたからにはこの戦いは避けられない。
龍牙は今にも襲ってきそうな魔物にも目をくれず、ただ真っ直ぐ走り続けた。
息をきらしながらも密林の中をただ走り続けると、いきなり眩しい光に身を包まれた。
龍牙はあまりの眩しさに目を閉じて、ゆっくりと開いた。
その眩しい光の正体は日光。
彼は密林の外へ出ることが出来たのだ。
チカチカする目をゆっくりと慣らした彼は前方の光景に目を丸くした。
聞いた話によると人口はそう少なくもないだろうに、この町には人がとてつもなく少ない。
この“ゴーストタウン”はいつからこのように寂れてしまったのか。
龍牙は呆然としたままゴーストタウンに足を踏み入れた。
最初のコメントを投稿しよう!