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「なんだい、なんだい!?相手は女の子じゃないか!こんな子と戦えというのかい!?」
「李…目を覚ましてくれよ。」
悲しみの篭もった声で、龍牙は李に訴える。
『よく来たな。その勇気、誉めてやろう。我とは、もちろんお前1人で戦うのだろうな?』
相手に弓を構える蝶舞を止め、龍牙は頷く。
「蝶舞は周りの魔物達を頼む。こいつは俺にやらせてくれ。」
「…わかった。後で理由を教えてくれなきゃ拗ねちゃうよ。」
その言葉に龍牙はニッと笑って相手に剣を構える。
その剣は欠けているが斬れないこともないだろう。
しかし、剣は霊狐の攻撃を斬っただけで無惨な金属音と共に砕け散った。
その瞬間、李の放った火の玉が龍牙に命中する。
その勢いに龍牙は壁まで吹っ飛ばされ、倒れ込む。
(くそぅ…俺に、俺に李を救う力を…)
すると、李の指が微かに王座の後ろを指差していた。
その李の顔は涙に濡れており、龍牙に何かを訴えるような顔をしていた。
それを見て、龍牙は起き上がり霊狐に向かって突進する。
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