第1章 start of fight

21/28
前へ
/252ページ
次へ
    「なんだい、なんだい!?相手は女の子じゃないか!こんな子と戦えというのかい!?」     「李…目を覚ましてくれよ。」     悲しみの篭もった声で、龍牙は李に訴える。     『よく来たな。その勇気、誉めてやろう。我とは、もちろんお前1人で戦うのだろうな?』     相手に弓を構える蝶舞を止め、龍牙は頷く。     「蝶舞は周りの魔物達を頼む。こいつは俺にやらせてくれ。」     「…わかった。後で理由を教えてくれなきゃ拗ねちゃうよ。」     その言葉に龍牙はニッと笑って相手に剣を構える。     その剣は欠けているが斬れないこともないだろう。     しかし、剣は霊狐の攻撃を斬っただけで無惨な金属音と共に砕け散った。     その瞬間、李の放った火の玉が龍牙に命中する。     その勢いに龍牙は壁まで吹っ飛ばされ、倒れ込む。     (くそぅ…俺に、俺に李を救う力を…)     すると、李の指が微かに王座の後ろを指差していた。     その李の顔は涙に濡れており、龍牙に何かを訴えるような顔をしていた。     それを見て、龍牙は起き上がり霊狐に向かって突進する。    
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加