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あれから月日は流れ、四年が経とうとしていた。
──カランカラン。
と来客を知らせるドアベルが鳴り、店の扉が開く。
「いらっしゃいま……あ!」
「鷹狩さん、こんにちは」
「桃花ちゃん!」
入って来たのは、かつての仲間だった。
と言っても、彼女は何度かここに足を運んでくれてるんだけど。
……と、いう事は。
俺が濡れた手を拭きカウンターから出ると、
「マモルにーにー!」
桃花ちゃんの足元に、もう一人、小さなお客さんを見付けた。
「透ー真ー! いらっしゃーい。」
と、人懐こく駆け寄った子を、俺は勢いよく抱き上げる。
「また大っきくなったなー。透真、今何歳?」
「にー」
俺が聞くと、その子は上手に右手でチョキをする。
「違うよ。透真は三歳になったでしょ? 手はこう」
と、俺と透真のゆるっゆるのやり取りに、桃花ちゃんはクスクスと笑いながら訂正した。
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