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隣の部屋は一面本棚の大きなものだった。天井まで続く本棚…全ての棚にはぎっしり本が詰まっている。
気付くと…さっきの部屋以外、扉がない。
「あの…どこから出るんですか?」
「だから…あなたの道はあなたしか知らないわ」
笑顔であたしのリュックをさす。
あたしはリュックを下ろし、中を探った。
すると、何で出来ているのか、キラキラ光った剣型の栞が出てきた。さっき使った剣と同じ形?
あたしが栞を取り出すと、ツヴァイは真ん中にある古びたデスクを指さし、
「その栞をデスクに置いて下さい」
あたしは、デスクの上に栞を乗せた。
栞は突然、キラキラと発光すると…
その光に誘われるように…壁のような本棚から本が2冊、ふわりと飛び出し…栞の前に降りた。
「あなたの行く道です。栞を本の上に置くと行き先が見えます」
ツヴァイがあたしの背中をそっと押した。
あたしは片方の本の上に栞を乗せた。すると、頭の中にいきなり映像が浮かび上がった。驚いて振り向くと、ツヴァイはわかってるようかのに静かに微笑んでるだけだった。もう片方は違う映像だった。
「栞を入れられるのは一つだけです」
ツヴァイが付け加えるように言う。
あたしはもう一度、最初の本に栞を乗せた。
そして、後の方の本に栞を乗せた。
最初は、荒野で少年が空を見ていた…
後は、暗い街で少女が下を向きたたずんでいた…
「どちらか決めました?」
ツヴァイはいつまでも迷ってるあたしを急く。
「決めた」
あたしは栞を手に持ち…本の上に乗せた。
すると、その本に栞はスルッと入り、目が開けていられないくらいまばゆく光り出した…………
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