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蒼い空に見渡す限りの草原。
そこに、松下 颯人(マツシタ ハヤト)は立っていた。
「また、いつもの夢か。ま、この場所好きだから良いけど」
颯人は呟きながら横たわる。
空を眺めると、風も無いのに雲が流れて行く。
暫くボーっと空を眺めていると、人の声がした。
「ぅわー!すごぉい!綺麗ぇ」
颯人が声のする方へ顔を向けると、小柄な可愛い少女が顔を輝かせて周りを見ていた。
今迄この場所には、自分以外に人は勿論、動物など見た事はなかった。
それよりも、自分の夢の中に見知らぬ人、しかも自分と歳があまり変わらないだろう少女が現れた事に驚いた。
「君…だれ?」
少女は颯人の声に悲鳴を上げた。
「びっくりしたぁ…脅かさないでよ」
少女は少しムッとした顔で颯人に言うが、颯人はそれを無視して同じ事を質問する。
「君、誰?それに此処っていつも俺が見る夢の中なんだけど、何で見た事ない君が居るの?」
「えっ、そうなの?でも、私の夢の中でもあるんだけど、何で此処にいるかは知らないな。
と、私は歩美(アユミ)。歩美って呼んでね?で、君は何て名前?」
颯人は歩美のテンションの高さに少し圧倒されながら、自分の名前を言った。
「俺は松下 颯人。颯人で良い」
「了解、颯人♪」
歩美はとても嬉しそうにニコニコしながら颯人に言うと、颯人の隣に座った。
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