最終章:そして、雨は上がる。

17/19
前へ
/628ページ
次へ
美鈴 「ありがと… ずっと…ずっとずっとず~っと待ってるから… ちゃんと待ってるから…… 何年、何十年、何百年経とうと この想いを心に宿して、待ってるから…… 私、忘れないよ 薫の笑顔も泣き顔も…全部が私の宝物…… 貴方と過ごした日々はきっと忘れない だって…それだけ薫が好きだから」 そっと手を伸ばして俺の頬に触れる 久し振りに見た…満面の笑顔だった。 そして…力無く美鈴の腕は宙にぶら下がった。 薫 「美鈴…?おい美鈴!」 時を超えて、俺の目の前に現れた記憶喪失の少女 喜怒哀楽が激しくて、いつも無茶ばかりしている。 だけど誰よりも優しくて 困った人を見付けたら見過ごせずにいる そんなあいつが…大好きだった。 今、そんな夢物語りが終わりを告げる 強い自分であろうと 周りに心配をかけないようにしようと 最後まで笑顔でいると誓ったバカな奴 だから俺は、今だけ美鈴が泣かなかった分も一緒に沢山泣こう…。
/628ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加