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美鈴
「ありがと…
ずっと…ずっとずっとず~っと待ってるから…
ちゃんと待ってるから……
何年、何十年、何百年経とうと
この想いを心に宿して、待ってるから……
私、忘れないよ
薫の笑顔も泣き顔も…全部が私の宝物……
貴方と過ごした日々はきっと忘れない
だって…それだけ薫が好きだから」
そっと手を伸ばして俺の頬に触れる
久し振りに見た…満面の笑顔だった。
そして…力無く美鈴の腕は宙にぶら下がった。
薫
「美鈴…?おい美鈴!」
時を超えて、俺の目の前に現れた記憶喪失の少女
喜怒哀楽が激しくて、いつも無茶ばかりしている。
だけど誰よりも優しくて
困った人を見付けたら見過ごせずにいる
そんなあいつが…大好きだった。
今、そんな夢物語りが終わりを告げる
強い自分であろうと
周りに心配をかけないようにしようと
最後まで笑顔でいると誓ったバカな奴
だから俺は、今だけ美鈴が泣かなかった分も一緒に沢山泣こう…。
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