92人が本棚に入れています
本棚に追加
美鈴
「私は美鈴
雨乃美鈴だよ」
薫
「花咲…薫」
美鈴
「薫君だね、よろしく!」
俺の手を無理矢理取り
握手をしながらブンブンと大きく振る
元気なやつだった。
十夜
「この子だろ?さっき探してた子」
美鈴
「私を探してたの?」
薫
「いや…もういいや」
美鈴
「なにそれ、気になるじゃん」
俺の顔にグイッと彼女が顔を近づける
…甘い匂いがした気がした。
薫
「…あのな、近いだろ?」
美鈴
「照れてる照れてる」
悪戯に笑いながら離れてくれた
今のを彩愛達に見られていたら終わってたな…
十夜
「赤面してるぞ」
薫
「あ、あのなあ…」
美鈴
「わっと、先生が来た」
十夜と彼女は急いで自分の席に座った
そこから楽しくもない始業式が始まり
教室に戻ると軽い自己紹介が始まる
雨乃は窓側の席で俺は廊下側だ。
何度も目が合い、その度彼女は笑って小さく手を振ってきたが
俺はその度目を背けていた。
そして彼女もまた、その度落ち込むのが何だか笑えた。
最初のコメントを投稿しよう!