わたしのあいした

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――白井くん。 土曜日の総武線、 午前8時ごろに車内を見渡すこの癖は、 今まさに視線の先に居る この人が原因。 電車ドアより15センチは高い背、 穏やかな雰囲気。 胸が、きゅうっとなる。 たまらなく、好き。 白井くんとは1年から同じクラス。 最初は、単に今までこんなに大きい人を見たことが無かったっていうだけで目に留まった。 次第に、 暇さえあれば 授業中でも 休み時間でも、 目で追うようになった。 そして今、 これは恋なんだということに気づいている。 完璧に、ストーカーだけど。 中学のころは、 よく男子と遊んでいた。 中には “付き合った” 男子もいた。 でも、長くは続かなかった。 当たり前だ。 だって私はずっと 友達のまま っていう感じで接していて、 向こうは私を 彼女 としてみていたんだから。 そのことが“つい最近”のことだと思えるのに、 白井くんが気になるようになってから、 私はまともに白井くんと話すらできていなかった。 1年、2年と同じクラスだっていうのに、 友達以前の関係。 それなのに、 どうしようもなく、 白井くんのことが好き。 ヘンだよね。
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