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眠いねむいねむい…
夜通しやっていたゲームのせいで目がしぱしぱする。大体最近のアクションゲームはラスボス戦が長すぎるんだよ。変形すんなよ、ニ回倒したのに、また変形かよ。あそこでやめときゃ良かった、あの時点で眠かったんだよ。でもセーブできないしメニューで放っといたらプレイ時間延びちゃうし。しょうがない、しょうがなかったんだ。
言い訳をずらずら並べて自分を正当化したは良いが、いかんせん頭がいつも以上にまわらない。
あのやろう、授業やんならもっと楽しそうに喋れ、じゃなくても社会は眠いんだ。やる気あんのかこらー
と頭の中で教師に訴えても、あと三年で退職なさる(卒業までいるじゃねぇか)おじいちゃん先生は、若かりし頃の情熱を生徒は授業を受ける気がないという諦めに変え、淡々と教科書を読んでいる。黒板も書かなければ特に教科書に線を引かせる訳でもない。
これでテストはみっちり作るもんだからたまらない(生徒に対する嫌がらせだと綱吉は信じて疑わない)
もう、知らない。授業は寝るためにあるもんだ。
腕に突っ伏して、とうとう綱吉は睡魔に負けた。
…なんか視線を感じるんですけど。
ちらっとその方向に目線を寄越すと、気合いと根性と時の運で自分の右隣を勝ち取った、自称右腕獄寺隼人が見つめてらっしゃる。
「なに、獄寺くん」
眠さのために不機嫌をあらわにした目でジロリと睨む視線もなんのその、ぽっと頬を赤くした獄寺は
「いえ!!そんな眠気とたたかう十代目が可愛らしくて微笑ましいなんて!!」
「思ってたんだ…」
「どうぞ俺なんかお気になさらずお眠りください!!あんな野郎の授業なんか受ける必要ありません!!でもできればこっちに顔を向けて寝ていただけると嬉しいです!!」
「………」
無言で綱吉は獄寺のいる逆側に顔を向けて寝た。うるさいよ獄寺くん。
瞼を閉じて、ゆっくり、ゆっくり、じわじわと眠気が蝕んでいく。
万歳、居眠り万歳。俺はもう眠り続けるぞ、蝉の如く。
ぽすん
「…ふが」
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