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『んじゃ俺、入学手続きに関する書類取り行くから、リュウはそこで待っててくれよ!!一次試験落ちたからって、先帰るなよ!!』
『わかってるさ……待ってるよ……』
リュウは落ち込んだ様子でボソッと言った。
(ちょっと調子乗りすぎちゃったかな……あとで謝っとこ)
俺はそう思いながら事務室へと走っていった。
『えっと……事務室はどこかな……?って、えっ??!!』
事務室を探していた俺は驚いた。
なんせ高校の一角に、奇妙な人だかりができていたからだ。
(なんだろう?こんな高校に有名人でも来たのかな?あとで見に行こ♪)
俺はそんなことはさておき、事務室へと向かった。
無事に事務室から書類を受けとって戻ってくるときにもまだ先ほどの人だかりは残っていた。
残っていたというよりも、さらに人数が増えていた。
(誰か有名人でも来てるのかな?)
俺は興味津々で人だかりの後ろから何度もジャンプして中心にいる人を見ようとした。
が、見れなかった。
興味がおさまらない俺は人だかりを掻き分け、人だかりの中心へと向かった。
次第に前方での会話の内容がはっきりとわかってきた。
『ねぇ君、中学どこ?』
『よかったらこれから俺と遊ばない?』
『誕生日いつ?』
『血液型は?』
『好きなタイプの男は?』
まだ先はよく見えないが、どうやら中心にいるのは女の子らしい。
(あんなに質問攻めにされたら可哀相だよな……)
そんなことを思いながら、やっとのことで、中心にたどり着いた。
『ふぅ。やっと着いた。』
ついてすぐに膝に手を当てた俺は一息ついたあと、顔をあげた。
すると、目の前にはショートカットの女の子が。
目が少し大きく、とても綺麗な顔つきをしている。
そのとき、なにかが俺の中で起こっていた。
(なんか……心臓がドキドキする……)
その瞬間、俺は悟った。
恋に堕ちたのだと………
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