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『はぁ……はぁ……ここまで来ればあの変な軍団もこないだろ……』
『そんなことよりもケン!何があったんだよ!言われたとおり待ってやってたら知らない女の子の手を引っ張って走ってくるしさ』
『…………』
俺が連れてきた女の子は急激な展開についていけてないようだ。
『いや、なんかこの子が変な奴らに囲まれてて迷惑そうにしてたからさ……で、つい助けちゃって』
俺は手で頭をかいた。
よくマンガでみる仕種だが、こういうときには無意識に手が頭へとのびてしまうようだ。
『あの…………そろそろ手を離してくれませんか??』
少女が俺に頼んできた。
頭をかいている手の反対側をみると、しっかりとその少女の手を握っている。
『うわっ!ゴメン!!』
俺は急いで手を離した。
『さっきは助けてくれてありがとう。私も困ってたんだ』
『いやいや。困ってる人を助けるなんて当たり前じゃないか。どうやら4月からは同級生みたいだしね』
俺は事務室からもらってきた封筒を見せながら言った。
『あっ!!君も合格したんだ!!よかったぁ。入学式より前から知り合いできて。私の中学から坂上受けた人いないから4月からどうしようかと思ってたしね。君、名前教えて。私の高校生活の友達第一号だよ!!』
少女が笑いながら俺に声をかけてきた。
こんなにかわいい子と知り合いになれたなんて感激!!
『俺は泉ケン。そしてこっちにいるのは飛沫リュウ。こいつは一次で落ちたから、今はあんま高校の話するのやめようぜ』
『あっ!!ごめんなさい!私、そんなこと全然気づかなくって!!私は桜庭ツバキ、ヨロシクね♪』
その少女……桜庭ツバキは輝かんばかりの笑顔で自己紹介をした。
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