プロローグ

7/8
前へ
/346ページ
次へ
桜の花がみごとに咲き誇る4月。   今日は坂上高校の入学式だ。   リュウはあのあとものすごく勉強して、無事に坂上高校に合格できた。   そしてなにより、入学式ということは彼女にまた会えるかもしれないのだ。     『どっかに桜庭いないかなぁ~』     『いるだろ。合格してんだから』     そんなに冷たい態度をとらなくても…………   俺はリュウと二人で入学式に来ている。   そろそろクラス名簿が発表されるしいが、俺は今、それどころではない。   あの日以来忘れられない桜庭の姿を探しているのだ。   ずっとキョロキョロしているので、リュウからは変な目で見られている。     『あっ!いたいた~!』     そんなとき、後ろから声をかけられた。   一人の少女が俺達に向かって手を振っている。     『久しぶり!!二人とも!!』     まぎれもない、あの天使のような笑顔。     『久しぶりだね』     これだけしか言えない俺って…………ってかこうとしか言いようがないな(汗)     『久しぶり!俺ちゃんと合格したから(笑)』     お前が合格出来たのは俺が勉強教えてやったおかげだけどな。     『よかったね♪私、ホントにこの学校の人で友達いなくてさ。だから同じクラスになれるといいな~』     俺だってそう思うよ!!     『じゃあ早く見に行こうぜ!!』     三人で学校の掲示板に張られたクラス名簿を見に行った。   桜庭と歩いてると、男が寄ってきて、歩きづらいったらありゃしなかった。     『やったぁ♪私たちみんな同じクラスだね♪』     『だな。最初っから知り合いがいるっていいよね』     そんな調子で二人が話しているなか、俺は感激のあまり涙を流していた。         .
/346ページ

最初のコメントを投稿しよう!

468人が本棚に入れています
本棚に追加