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鼻毛!気が散る!鼻毛!気が散る!鼻毛!気が散る!鼻毛!気が散る!鼻毛!気が散る!鼻毛!気が散る!鼻毛!気が散る!鼻毛!気が散る!鼻毛!気が散る!鼻毛…
何分くらい続いただろう。「鼻毛!気が散る!」コール。あたしはその間、ポカーンと口を開けたまんま、動けなかった。
タケルンは普段、王子様のように爽やかで、いい人で、傷つくようなことは一切言わない素敵ingな人だったはずだよな?うん。確か、そうだった。
なのに、なんだよ、この豹変ぶりは。そんなギャップは別に求めてねーんだよ。
タケルンは気が済んだのか、テーブルに顔をのせて寝始めた。
あー、えっとー、なんなんですか、コレ?何プレイですか?いや、まぢで。
とりま、あたしは鞄からファンデーションを取り出し、鏡で自分の顔を見た。
…あぁ。ホントだ。
ひょろりと鼻毛が出ている。しかも2本。
まぢかよ、こんにゃろう。美女に鼻毛。美女から鼻毛?
うん、どっちでもいいや、もう。
あたしはファンデーションをパチンと閉じて、とぼとぼと1人、帰って行く。
店員に途中、「鼻毛コールの女だ」みたいな目で見られた。そんな目で見てたら、てめえに鼻くそつけるぞ、ゴルァ!
外に出ると、秋風が吹いて、もうすぐ冬なんだな、って溜め息が出た。
クリスマス迄にはいい男を作らなきゃな。
鼻毛がまた出てないか、軽く指で確かめて、あたしは家を目指した。
小悪魔さおりん、傷心中。
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