1295人が本棚に入れています
本棚に追加
「結婚しようよ」
突然の彼のプロポーズは、「今日は風がきついね」とでもいったまるで何事もないかのような軽い一言だった。
私はただ面食らうばかり。
からかっているのだろうか。
「今、何て言ったの?」
用心して聞き返す。
早合点して喜んだら後が怖いから。
「だから、結婚しようよって。千夏と一緒になりたいんだ」
少し照れたように顔を赤らめた彼の目を覗き込む。
強い意志を感じさせる本気の目だ。
何となく食事して、何となく肌を合わせて……。
そんな関係だけだと思っていた彼からのプロポーズは嬉しくてたまらなかった。
でも私には、彼に愛される資格がない。
最初のコメントを投稿しよう!