エピローグ

3/3
前へ
/38ページ
次へ
「嬉しいけど……。私はバツイチだし……。カウンセリングで話した通り治雄の父親もわからないのよ」 私は少し興奮していた。 色んな感情が胸に込み上げてくる。 透は笑顔のまま羽織っている白衣を脱いだ。 たまに見せる笑顔はまだどこか幼く見える。 初めて会った時の彼が小学生だったのを思い出させられた。 こんな立派な青年になるなんて思っていなかったな。 「関係ないよ。治雄はもう僕の息子だ」 透と出会えて良かった。 私は幸せになれるんだ。 彼は私を強く抱き締めてもう一度囁いた。 「そう。治雄は僕の息子だよ」 <息子・完>
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1295人が本棚に入れています
本棚に追加