零と壱の間

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料理人として生計を立てるのが僕の今一番大きくて遠い夢である。 まだ見習いで大将の腕を盗むのが今一番の仕事である。 その事を打ち明けた週から和哉の訪問は始まった。 「そーだ。来月の頭にある同窓会、お前も行くよな?」 和哉は思い出したように口を開いた。 今からちょうど5年前の高校3年の同窓会。 僕にとって大切な思い出の詰まった過去。 「行くよ。」 僕はご飯を掻き込んでいる和哉にその旨を伝えた。 その後はいつもの様に勝手に風呂に入った和哉がこれまた勝手に始めたゲームを、ビールと煙草を交互に口に含ませながらぼんやりと眺めていた。 あの時を思い出しながら。 何をするにも一生懸命だったあの時を。。。
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