ツユハナビ

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「ねぇ、花火しようよ。」 いきなり突拍子もない事を言いだす前の席の女。学校だけで成り立つ友達の1人。 立花 雛(たちばなひいな)。 勉強はできるが頭は悪い明るい女。後、馴々しい。それが僕の雛に対する第一印象。 この時は面倒な奴としか思えなかったが、後に僕の初めての彼女になる女の子だ。 「花火って今、梅雨真っ只中だぞ。」 まぁ行く気は無かったが、何故この時期にするのかが無性に気になった。それに花火はまだ売って無い気がするんだが。  ……。 話を聞くと、去年の花火が大量にあるのを忘れていたらしい。 それで夏になる前に使わないとまた忘れてしまいそうだからだそうだ。 あと、雛の友達が片思いしてるらしいんだがその片思いされてる子を誘ってみた所、承諾したらしい。 それで人数合わせにもう一人。 っとなった訳である。あまりにも普通過ぎる答えになんだか損した気分だ。 「それに…」 8割ほど興味をなくしたので耳だけ傾ける。 「雨の中でする花火ってきっと綺麗でしょ。」 その言葉が違和感なく僕に染みわたる。おもむろに顔をあげるとおどけて笑う雛がいた。
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