始まりのバツゲーム

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気持ちに気付いたのは二人が付き合い初めてからだった。 もう付き合っているのに言えるわけがない。 …でももし協力を頼まれた時に気付いていたとしても言えてなかったかもしれない。 だって二人は、ずっと好き合っていたから。 俺は…この気持ちを無かったことにするつもりだ。 今は無理だけど…いつか。 だから絶対に好きな人を言うわけにはいかない。 でも、言わない限りみんな引きそうにない…。 「ほら、誰なんだよ。 早く言えー。」 悠馬に急かされて更に焦った時、俺の頭に名案が浮かんだ。 そうだ!!嘘の好きな人を言えばいいんだ!! ―――そんな事を思わなければ君と出会う事も無かったし、君を傷つける事も無かったんだろう。 でも…出会った事は後悔していないんだ。 君に出会えて、よかった、と思っているから――― 「あ、えっと…お、俺の…好きな、ひ、とは……」 ええっと、告白するんだから振ってくれる相手!! 俺なんか相手にしないような相手!! 誰がいる…? あ!! 「…な、なみ……名波、…夕璃…さん。」 俺は思いついた名前をぽつりと呟いた。
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