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―――これがなかったら君と関わる事はなかったのかもしれない。
だって君は…分かっていたし、決めていたのだから。
俺は君と出会えたから…この気持ちを知ったんだ。
君が好きで、恋しくて、どうしようもないこの気持ちを―――
朝の心地よい太陽の光がカーテン越しに部屋を照らす。
俺はその柔らかな日差しを受けながらゆっくりと目を開いた。
…あまり眠れなかったな。
そう思いながらゆったりとした動作で時計を見るために動いた。
―6:15―
時計にはそう刻まれていた。
いつも起きるのは7時だ。
通常より30分以上早い時間に溜め息を吐きながら昨日と今日の事を思った。
昨日あの場を後にして家に帰ってから思ったこと…それが彼を悩ませた。
それは彼女が傷つくのではないかという事。
彼女はとても優しい人物だと聞く。
そんな彼女が告白されて何も思っていないとは思えない。
それに好きな人がいるのなら、なおさら振られた気持ちが分かってしまうだろう。
きっと、名波さんは告白される度に振ってしまった事で傷ついてるんだろうな…。
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