嘘の『告白』

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制服に着替え終えて部屋のドアを開くと、朝食のいい匂いが漂ってきた。 母さんってこんな時間から朝食作ってるんだ…。 俺とか兄さんや父さんが起きてくるのもっと先なのに…。 その事に心の中で感謝しながら階段を下りていく。 下に着くとまず顔を洗おうと洗面所へ向かう。 洗面所へついて顔を洗うと、冷たい水で頭が冴えてくる。 それと同時に彼女へ対しての誠意をしっかりと示そうと決意した。 リビングのドアを開けると朝食の匂いがはっきりと分かる。 今日はみそ汁と焼き魚か…おもいっきり和食だな。 でもやっぱり朝は和食がいいよな…などと渋い考えを巡らせていると母さんの驚いたような気の抜けた声が耳に入った。 「あんた…どうしたの? どっかに頭でもぶつけた?」 母さんに顔を向けると本当に驚いた顔をしていた。 早く起きてきただけなのに頭ぶつけた?って。 そんな母さんの発言に苦笑しながら返事を返した。 「おはよう、母さん。 別に何も無いよ。ただ早くに目が覚めただけ。 あ、何か手伝おうか?」 そんな俺の眠気も感じさせない言葉の早さに更に驚いているようで、すぐには返事がかえって来なかった。 いつもは寝ぼけながら起きてきているから二重の驚きなのだろう。 手伝いを申し出た事に関しては、いつも起きてきたら寝ぼけ眼でもやっているので驚いてはないと…思う…。
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