78人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、おはよう…。
あんた、本当にどうしたの…。
…まぁ…たぶん言わないだろうからいいけど…。
手伝いならそこの野菜ちょっと切っといてくれる?」
何かあるのは分かっているのに何も聞かずに普通に接してくれる。
だけど俺が自分からそれを言った時は、真剣に聞いてくれる。
やっぱり…家族っていいと思う。
そう思いながらキッチンへと移動する。
口に出しては言えないから心の中で『ありがとう』と言いながら。
「うん、じゃ、これ切ればいい?」
「ええ、お願いね。」
そうやって俺は母さんの手伝いを始めた。
しばらくするとリビングの外から足音が聞こえてきた。
そしてそのままリビングへと足音の主は入ってくる。
「おはよう、母さん。
今汰臥(タイガ)は起こして来たんだけど晃臥は返事がなくっ……。」
そう言いながら入ってきた父さんは俺をみた途端、言葉を止めた。
「どうしたんだ…晃臥?」
…そんなに珍しいかな?
「おはよう、父さん。
ただ早く起きただけだよ。」
そう手を動かしながら父さんに返事をかえす。
この分だと兄さんも…。
最初のコメントを投稿しよう!