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しばらく歩いて行くと見慣れた人物が視界に入る。
俺はその人物に走って近付くと肩を叩いて声をかけた。
「おはよっ、圭志。」
「ん!
はよっ、晃臥!!」
そうやって返事をかえすと、俺の顔をじぃっと見てきた。
「何だよ?」
不思議に思った俺は問いかける。
すると少し眉間に皺を寄せながら圭志は答えた。
「んー、いや…今日告白するのに緊張してねぇな…と思って。」
…まぁ、決意はしたし、まだ少し恐れはあるけど…そんな事も言ってられない。
そう思って顔を引き締める。
「告白するんだから緊張ばかりもしてられないだろ。」
そんな嘘を吐きながら。
「まぁ、びしっと決めないとな!!
なんたって相手は学校一の美少女なんだし!!」
ニカッと笑いながら圭志は答える。
昨日と変わらない、爽やかな笑顔で。
「おう!!」
俺も笑いながら返す。
前とは違う、決意と嘘を秘めた瞳で。
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