始まりのバツゲーム

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「バツゲームは晃臥に決定!!」 そう言われた少年、川瀬 晃臥(カワセ コウガ)は、深く溜め息を吐く。 周りは嫌味な笑顔で笑っている。 もう楽しんでいる様子しか窺えない。 その様子に少々諦めを覚え、もう一度溜め息を吐いてから口を開いた。 「…で、何をすればいいの。」 すると周りの少年達と晃臥の相手をしていた少年は顔を見合わせて悩むような仕種をする。 考えてなかったんだな…。 そんなことを思いながらその様子を見学した。 自分が意見しても聞き入れてはもらえないだろうから。 「どうする圭志?」 一人の少女が晃臥の相手をしていた少年に言う。 その少年、須浪 圭志(スナミ ケイジ)は腕を組んで苦笑しながら、問いかけてきた少女、佐奈田 実奈(サナダ ミナ)に返事をした。 「どうしよっか…。 なんかこう、パーっとできて、面白くて、なおかつ晃臥が恥ずかしがるようなもんねぇかな?」 そう返された実奈は困った表情を浮かべた。 「うーん…。 そう言われてもなかなか思いつかないよ。 みんなはいい案ない?」 振られたみんなも困った表情を浮かべる。 だが、そんななか一人、目をキラキラと輝かせている…という表現が非常によく似合う表情を浮かべている少年、三神 悠馬(ミカミ ユウマ)が意気揚々と手を挙げた。
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