78人が本棚に入れています
本棚に追加
「では、悠馬くん。」
圭志が先生の真似っぽく、威厳があるような低い声を作って言った。
それにみんな笑いながら悠馬の発言を楽しみに待つ。
俺も不覚にも笑ってしまったが、悠馬の発言には正直恐れを感じていた。
「はい!!俺は…」
悠馬はゆっくりと、たっぷりと溜めて焦らす。
―――そして、あの言葉を言ってしまった。
君と出会うきっかけになった、あの言葉を。
そして、君を傷つける始まりになってしまった、あの言葉を―――
「俺は、好きな子に『告白』するのがいいと思います!!」
思考は一瞬で停止した。
「いいじゃん、それ!!」
「ほんと、それだと圭志が言ってた条件にも当てはまるな。」
みんな次々と賛成の意見を述べていく。
「あ。でも、晃臥に好きな人がいるかっていう根本的な問題があるよね。」
その実奈が言った言葉ではっとする。
そうだ、ここはいないって嘘をつけば…!!
「あー、確かに。
その手の話晃臥から聞いた事ないもんね。」
小学校から友達の小浅 真由(コアサ マユ)もその意見に頷く。
最初のコメントを投稿しよう!