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日が傾き、完全に暗くなるまであとわずか…そんな静かなはずの放課後の学校に響く声。
「今日こそ覚悟しやがれ!奄美ーっ!」
「きゃー!!?」
なんてね?
ヒョイと避けただけで
勝手に掃除用具に突っ込む男子たち。
「多勢に無勢なんて…そんな汚い根性してるから私に勝てないのよ!」
言い捨ててその場を去る。
初対面なのに騒がしくてすみません。
私、奄美 小夏(アマミ コナツ)。
普通の高校2年生!
いや…普通じゃないのか?
親が格闘家だった影響で武術には自信あり。
そのせいか…彼氏いない歴16年!
つまりいた試しがない。
でも別に好きな相手がいるわけでもないし…。まぁいいや。って思うんだよね。
それに、私にたかってくるのは
さっきみたいに闘争心むき出しのバカな奴らばっかり!
いい加減飽きてくんないかな…。
「はぁ~…」
渡り廊下で盛大なため息をつくと
「よっ!格闘少女。若いのにそんなデカいため息ついてちゃ損だぞ?」
「塚田先生…だってさぁ~疲れんだよ。毎日毎日毎っ日!あのバカミヤが人の背後から5人で襲いかかってくんだもん」
壁にもたれながら話すと
カッカッカと顔に似合わない笑い方。
塚田先生は保健室の先生。
私がすり傷作ると手当てをしてくれる。
年は確か25歳?
「まぁまぁ!思春期なんだよ…奴らもな」
ニヤリと不適な笑み。
「…?」
首を傾げるとまた豪快に笑いながら
私の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「でも気をつけろよー?お前も女の子なんだしな!一応…」
「はいはい…一応気をつけます!」
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