prologue

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「くそ!これまでか」   名も無い島で、今日も戦は繰り広げられていた。   ここは、日本軍の補給基地。   それをアメリカに勘づかれて、今は圧倒的に日本が不利な状況だ。   「何、やってんだよ」   どこからともなく“日本語”が聞こえてきた。   味方だ。しかもこの声。   「まさか…あなたは…」   日本の兵士がそう言うや否や、突如現れたその人物は足を高く上げ、そのまま地面まで踵落としをした。   ―バッキーン!―   その瞬間、アメリカ兵に雷が当たった。   雨雲すら見当たらないような、晴天の中で。   他のアメリカ兵はそれを見て、怯えた様子で銃を投げ捨て、逃げようとした。   が、遅かった。   雷は全ての兵士に逃げる間も与えずに、真っ直ぐに当たった。   「俺が来なかったらどーするつもりだったの?バカタレ~」   実に、200人のアメリカ兵を“雷”で殺害した男が笑いながらそう言った。   「ハッ!申し訳ありません!恐れながら、聞いてもよろしいでしょうか?」   「何?」   すると兵士はもごもごしながら聞いてきた。   「今の力…もしかして、あなた様が…?」   「ああ、そうだよ。Military Children」   そう言うと、男は何やら手帳に書き込んで去っていった。
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