彼の存在

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でもその日を最後にお別れだ。  彼は私の気持ちなんか知る訳もなく。  私の存在なんかも知る訳もなく。  ……時は流れ卒業式前日。  放課後、友達と下駄箱で卒業式について話をしていた。  「明日はいよいよ卒業式だね。  これで寒い体育館に通う事もなくなるね」  複雑な私。  少し沈黙になり、友達が口を開いた。 「ねー、卒業生の中に好きな人いる? 私いるんだけど好きなんて言えないよね。  だから私、メモで良いから下駄箱に入れたいんだ」  「…私もっ! 私もする!」 顔を赤らめ私はそう言ってノートを1枚破り、一言書いた。  【卒業おめでとうございます】  ちゃんと自分のクラスと名前も書いた。
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