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期末テストがやっと終わり、待つのは優雅なる夏休みだけとなった。そんな季節だ。
妹に産まれて来なかった空気の読めない弟が俺の部屋に入ってくる。ベッドの横に立つと
「おい!起きろよ、バカ!殺すぞ!生きる価値もないニート野郎」
残念ながら、俺は現役でバイトしてる高校一年生だよ。
という朝から始まるのは初期設定みたいな物だ。
ここからは戦争ですよ。容赦なく、布団の上から殴ってくる。布団の中で体を動かしまくって避けるのだが、所詮は無理。
バシバシ当たるから痛すぎる。
「なぁハルもう起きたいのだが」
そんな戦争も長く続く物じゃない。
「ならさっさと起きろよ、カス」
暴言が今、弟のブームらしい。
言われたところで、別に嫌じゃないし、何も感じない。
いつのまにか弟は部屋から出ていきやがった。
眠気も覚めてきたから、ベッドから出る。
蝉の声が部屋の中まで入ってきた。
朝からうるさい奴らだ全く。求愛行動するなら、森の中でやってくれ
「早く降りてこーい。カス野郎!」
下の階から弟の声が響く。
こいつもうるさい奴だ。うるさくするなら、ライブでも行って騒いでくれ
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