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「おはよう」
ダイニングテーブルにはいつものメンバーが揃ってる。
まず一番キッチンの入り口に近くて、部屋の扉からは一番遠い席は親父の重久。
その隣は、キッチンにいる母、吉江の椅子。
その隣が弟のハルの席。
ハルのテーブルを挟んで向かい側が俺の席。
吉江の向かい側、んで俺の隣に、幼なじみの遥が座ってる。
休日は幼なじみの遥と一緒に朝ごはんを迎えるようになったのはずいぶん昔の事だ。理由は忘れてしまったけど、彼女の家がお向かいさんだから、としか言い様がない。
「おはよう、義彦。新聞読むか?」
「おう」
親父から新聞紙を受けとる。
ふむふむ財政破綻か、仕方ない企業だよな
「おはよー、ヨシ。よく寝れた?」
「あぁ。夢ん中で遥がハレンチなことやってたからな、めっちゃ良く眠れたぞ。」
いや嘘だ。特に夢なんかは見てない。
見たとすれば、枕元に白い着物を着た婆さんが立っていたぐらいかな……というのも嘘。
「ばぁかぁ」
朝から甘ったるい声だ。嫌いじゃない。
「ほらほら、朝御飯できたから食べな」
点火してないタバコを口にくわえた母 吉江がサラダをテーブルに置いた。
サラダはツナとレタスのカルパッチョみたいな奴だ。
「今日はみんなで買い物行くからな」
親父の提案に無言で頷く。家族団らんな休日はいつもの通りだ。
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